いろは
今回は哲学とは何かという倫理学を学ぶ基礎を一緒に考えていきましょう。
エリカ
いろは
哲学とは
まず哲学という言葉は、明治時代に西周(にし あまね)という人物が英語のphilosophyを訳したことで定着した言葉だと言われています。
世界もしくは各人の人生がどのような意味を持つのか等という、ちょっぴり難しい根本的な問題を考える学問のことを哲学といいます。
エリカ
哲学の誕生
哲学は古代ギリシアで誕生したとされています。
知恵(ソフィア)を好み、愛すること(フィロス)を合わせた単語として、フィロソフィア(今で言うphilosophy:哲学)になりました。
もともとは、哲学は知恵を愛するという意味で使われていたのです。
哲学(倫理)を学ぶ意味
多くの人が「テストに出るから」「入試にあるから」という理由で倫理を学んでいるのではないでしょうか。
過去の人の考え方を学ぶ哲学(倫理)は無意味なのでしょうか?
エリカ
私の考えでは、昔の人物の考えだからこそ哲学(倫理)を学ぶ意味があります。
たしかに、現代ではテクノロジーのめざましい発達によって生活が豊かになりました。あなたのスマートフォンやPCだって近年のテクノロジーをふんだんに使用している技術の結晶でもあります。
それゆえ、理系科目の数学や物理などを学ぶ方が意味があると考えている人も多いはずです。
実際に私も以前まではそう考えていました。
ですが、以下の理由から、哲学は大いに現代でも学ぶ意義があるということがわかります。
現代社会の問題解決の糸口になりうる
文明が発達して、数千年しか経過していませんが、その間に解決が非常に困難な問題が数多く生まれました。
例えば、宗教に関する問題は、大昔からある問題であり、人類がいまだに完璧な答えが見いだせていないものでもあります。
このような問題を議論するときには哲学を学んでいることが大切になってきます。
昔から、多くの哲学者がそれぞれの立場から宗教に関する考え方を述べてきました。
その中には、必ず現代の諸問題を解決する糸口が隠されています。
かの有名なアインシュタインの名言でこのようなものがあります。
彼は相対性理論を確立した人物としても有名ですが、他の研究者に比べて圧倒的に実験した回数が少ないというから驚きです。
それは、相対性理論がアインシュタインより前の学者の文献などを数多く読み、それらをうまく組み合わせて作り上げたものであることを意味します。
哲学以外の学問においても、過去のものを学んで自分のものにしていくことは重要であるのです。
哲学ではより一層、過去の偉大な哲学者たちの考えを学び、自分の見識を広めることが重要になってきます。
いろは
挫折しそうになった時の心の支えになる
歴史上の偉大な哲学者たちは、全員が天才に見えがちですが、実は彼らも悩み、苦しみながら哲学をしてきました。
この世に絶望した彼らが、どのように気持ちに折り合いをつけながら生きてきたかと言うことも、哲学(倫理)で学ぶことができます。
人生を歩む中で人は絶望を繰り返しますが、挫折してしまいそうな時のあなたの心の支えになるような名言が、きっと見つかることでしょう。
自分と逆の立場の意見を学んで見識を広める
哲学を勉強していくと、必ずあなたの意見と対立する考え方をする哲学者に出会うことでしょう。
でも、その人の意見にも耳を傾けて一度聞いてみることで、自分の意見は間違っているのではないかという「見直し」ができます。
一度立ち止まって真摯に自分の人生観を考え直すことで、見識が広まり、人としてワンランク上の考えができる人になることでしょう。
そのためにも、哲学(倫理)を学ぶことは大切です。
まとめ
哲学というものは、様々な物事の根本を考える非常に難しい学問であり、正解がありません。
あなたもきっと「生きること」や「死」などに関して自分なりの考えを持っているはずです。
もし、あまり考えたことのなかった人は倫理を学びながら考えていくと良いでしょう。
その時点であなたもちいさな哲学者です。
それを他の哲学者の考えと比較検討して、さらに優れた考えができるようにしていきたいですね。
それではまた。
[…] 【やさしい高校倫理】第1回 哲学とは何か?わかりやすく解説 […]
[…] 【やさしい高校倫理】第1回 哲学とは何か?わかりやすく解説 […]