いろは
今日はソクラテスの続きのプラトンの思想・名言を見ていきましょう。
ここから哲学的な話が多くなるので、とても学んでいて楽しくなってきますよ。
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エリカ
イデアとイデア界
プラトンの思想を語る上で一番核となるものがイデアというものです。
例えば、各辺の長さが1cmの正三角形を紙に書いてみてください。
それを見てあなたは「これは正三角形だな」と認識をしたわけですね。
エリカ
いろは
完全に1cmではなく、1.000001cmかもしれない。全ての角が等しく60度ではないかもしれない。引いた線だって完璧には引けていない。
つまりはこの図形は本当の意味での正三角形ではないのです。
エリカ
それでは、なぜ私たちは完璧な正三角形を見ていないはずなのにそれを正三角形だと認識するのでしょうか?
プラトンは、人間は生まれる前にイデア界という世界にいたのだと述べています。
そのイデア界では物事の模範である永遠不変の真の実在しかない世界のことを言い、その真の実在をイデアといいます。
簡単に言うと、イデア界は全てのものが完璧な世界のことで、その完璧なものをイデアといいます。
人間は現実世界で不完全なものを見たときに、イデア界を思い出すことでそれを認識しているとプラトンは説きました。
つまり、イデア界で正三角形を見ていたおかげで、現実世界の不完全な正三角形も認識できると言うことです。
また、このイデアはのちのidea(アイデア)やideal(理想)の語源となりました。
いろは
善のイデア
プラトンの考える究極の理想のことを善のイデアといいます。善のイデアは全てのイデアの中で最高のものであるとされ、イデアのイデアとも呼ばれています。
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アナムネーシス(想起)
アナムネーシスとは、日本語で想起つまり思い出すことを言います。先ほどのイデア界の説明の中で正三角形の話をしましたが、そこで触れている内容になります。
プラトンによれば、人間が何かを知ったり認識したりすることは、自分の魂がかつてイデア界で見たイデアを思い出しているということで、これをアナムネーシスといいます。
エロース
元の意味は愛のことをいいますが、プラトンはイデアを愛して追い求めることをエロースと表現しました。
人間の魂は常に理想世界への憧れを持っていて、それを追い求めることで哲学が生まれるとも述べています。
四元徳
ギリシア時代に重んじられた徳は大きく分けると4つありました。それは知恵、勇気、節制、正義です。プラトンは知恵、勇気、そして節制の徳を調和させることによって正義が実現するの考えていました。
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理想国家
プラトンは理想的な国家についても述べています。プラトンが考える理想的な国家は秩序が保たれている哲人政治(哲学者が政治をすること)が理想だとしました。また国家は、先程の四元徳の考えから、統率者が知恵を、防衛者(軍人)が勇気を、そして生産者(農民)が節制の徳を備えることで、国家としての徳が生まれるの考えました。
統率者の知恵+防衛者の勇気+生産者の節制=国家の徳[/box]
アカデメイア
アカデメイア(Akadēmeia)はプラトンがアテネ郊外に作った学園で、ここでは哲学を始めとする教育を行っていました。
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エリカ
まとめ
プラトンの重要語を最後にまとめておしまいにしましょう。
- イデア
- イデア界
- 善のイデア
- エロース
- 四元徳
- 哲人政治
- アカデメイア
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